第1回:心理療法の実践における専門家コミュニティーの大切さ
【講演者】 村本邦子(女性ライフサイクル研究所所長)
【パネリスト】 S・マーフィ重松(東京大学助教授)
藤見幸雄(藤見心理面接室主宰)
【日時】 2001年2月16日(金)
【会場】 五反田ゆうぽうと東京簡易保健会館
心理療法家にとって、日々の臨床で行き詰まった時、自分の苦手とするクライアントと出会った時、専門家として真剣に相談できる仲間はかけがえのない存在です。互いに信頼し真摯にぶつかり支え合える専門家のコミュニティは、個人の営みである心理療法家の基盤になるものです。今回の講演では、1990年以来大阪で女性ライフサイクル研究所を主催し、そうした専門家のコミュニティを育んでこられた村本先生に、研究所での体験などを交えて専門家のコミュニティの大切さを語って頂きます。続いてのパネルディスカッションでは、重松先生、藤見先生からアメリカの状況や個人開業をする場合の問題を提示して頂き、どのようにして専門家のコミュニティを作っていくかについて一緒に考えていきたいと思います。 |
第2回:心理療法を学ぶことを学ぶ
【講演者】 濱野清志(九州大学助教授)
【パネリスト】 S・マーフィ重松(東京大学助教授)
藤見幸雄(藤見心理面接室主宰)
【日時】 2001年3月23日(金)
【会場】 五反田ゆうぽうと東京簡易保健会館
「心理療法を学ぶ」という言葉から何を連想されるでしょうか。心理学の基礎知識を頭に入れる。ロールプレイでクライアントとの接し方を練習してみる。あるいはワークショップやトレーニングプログラムに入って新しい技法を自分のものにする。しかし、日々臨床の現場にいると、学びの必要性を感じつつ、限られた時間の中でどのようにして新たな学びを得るかは大きな課題になってきます。
このミニセミナーでは、「何を学ぶか」よりも「どのようにして学ぶか」をテーマに、濱野先生のお話を出発点に参加者の方と一緒に「学ぶ」ことを探っていきたいと思います。 |
第3回:自らを信じる力:心理療法の実践における直観の役割
【講師】 ロナルド・ウォン・ジュ博士(アメリカトランスパーソナル元会長)
【司会】 諸富 祥彦(千葉大学助教授)
【日時】 2001年4月25日(水)
【会場】 五反田ゆうぽうと東京簡易保健会館
優れた臨床家は、臨床の場で素晴らしい共感力と直感力を示します。心理療法の場で直観を十分に駆使することで、より素早くクライアントの状態を把握し、心理的な問題を解きほぐし、変化を促すアプローチを進めることができます。またクライアントを力づけ、その内なる癒しのプロセスを進めることもできるでしょう。
こうした直観力を育むにはどうすればよいのか、また直観を使って心理療法のプロセスを進めるにはどうすればよいのか、この講演ではそうした問いに答えると同時に、直観的なアプローチのデモンストレーションも行います。 |
第4回:21世紀のスクールカウンセリングの方向性 New Directions in School
Counseling
【講師】 リチャード・ヘイズ博士(ジョージア大学教育学部教授・東京大学客員教授)
【パネリスト】 亀口憲治(東京大学教授)
S・マーフィ重松(東京大学助教授)
【日時】 2001年5月27日(日)
【会場】 仏教伝導センタービル
日本スクールカウンセラー制度の立ち上げの共同研究のために東大の要請によりフルブライト基金より派遣・来日中のリチャード・ヘイズ教授を招き、「スクールカウンセリング制度とその在り方について」をテーマに語っていただきます。教授は過去5年間にわたりロシアにおけるスクールカウンセラー制度の立ち上げに大きく貢献しました。
アメリカでもコロンバイン高校の銃乱射事件に象徴される10代の若者の暴力が深刻な社会問題と化しています。そうした若者の暴力問題はすでにアメリカや日本といった個別の国の問題ではなく、西洋化するグローバルコミュニティ全体の問題として捉えられるべきものとなってきていると思います。こうした状況で、日米の心理療法家がどのように協力しあい、互いの文化を尊重しながら一つのコミュニティとして未来の子供たちを育てていけるかを話し合いたいと思います。
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