JIP心理学講座
トップページ
JIP心理学講座
カウンセリングの流れ
催眠行動療法について
会社概要・アクセス
プロフィール
ACIM オープングループ
このページでは、催眠療法をはじめとする様々な心理療法についてあらゆる学派・流派を超えAPA心理療法ビデオシリーズ実践版(日本心理療法研究所)などを参考にしながら理論、実践技法、背景、歴史‥等のお役立ち情報を、どなたでも分かりやすい表現でその時々に合わせて自由に提供してまいります。

催眠療法の歴史

催眠療法とは
「催眠をかける人が言葉(暗示)によって相手を日常の意識状態と違った状態に誘導し、非日常意識状態のなかでクライアントの自己治癒力を使って知覚や行動の変化をもたらし、心理的、行動的、身体的治療をおこなう」と定義できます。このように非日常意識(無意識)に働きかけることで治療を行なうという点では、催眠療法は心理療法の本質そのものと言えます。現代の心理療法が催眠療法から生まれてきたものであることは歴史的にも明らかです。

催眠のルーツは、有史以前からのシャーマニズムまでさかのぼることができますが、近代の催眠療法は18世紀オーストリアの医者フランツ・アントン・メスマーから始まるとされています。(英語では催眠をHypnosisの他に Mesmerismという言葉が使われております)

メスマーに始まる近代催眠療法は、シャルコーやブロイヤーを経てフロイドによって無意識の領域の研究へと発展し、現代の心理療法へと受け継がれていきました。フロイド自身は催眠療法を途中であきらめて精神分析を作りあげましたが(一説によると、その技法があまりに強力で、催眠療法によって明らかになる患者の問題を彼自身が扱えなかったという)、アメリカでは1940年以降ミルトン・エリクソンらの研究によって心理療法の技法として広く受け入れられ、1958年にアメリカ医学会、1961年アメリカ精神医学会が催眠を公式な治療法として認定されました。

60年代以降、催眠療法の研究は人幅に進み、より早い催眠誘導やより深いレベルの催眠状態、あるいは暗示方法などについて改良が行なわれました。(研究の多くが60年代に行なわれた)またバンドラーとグリンダーが開発したNLPは、エリクソンの催眠療法とゲシュタルト療法のフリッツ・パールズと家族療法のバージニア・サティアに共通するエッセンスから編み出されたものであり、EMDR(フランシス・シャピロー)はそのNLPから派生したものです。
 
現在の催眠療法は、精神分析や認知行動療法などと折衷して使われたり、60-70年代に起った人間性心理学やトランスパーソナル心理学における無意識の研究やその治療への応用とも組み合わされています。当センターのセラピストが師事したダンアン・ジンバロフのHeart Centered therapyも催眠療法にゲシュタルト療法、NLP、ライヒアンセラピー、トランスパーソナルなアプローチを組み合わせた良い例です。(当センターのセラピストはその後、以上のアプローチに、さらにEFT:Emotional Freedom TechniquesとCBT理論を組み合わせたアプローチを使用しております)

アメリカでは、心理療法の他に、ステージ催眠が大きな流行となりましたが、これらは先に述べたメスマーからの流れを汲むもので、エリクソンを中心とした心理療法としての催眠よりも歴史的には深いものがあります。
特に、19世紀のスピリチュアリズムなどの流れを汲む過去生を扱うものは、80年代ニューエイジ思想の流行とともにアメリカ社会に大きな影響をもたらしました。(レーガン大統領夫人やクリントン大統領夫人もこうした催眠から助言を受けてといたということがつとに有名です)

催眠療法とステージ催眠との大きな違いは、催眠療法が心理療法の基本的な枠組み(つまり心理療法としての契約、クライアントとセラピストの関係性の倫理的問題、クライアントの病状の診断に基づく治療法の決定など)のなかでおこなわれるのに対し、ステージ催眠では催眠をかけられる側の状態を考慮することがほとんどなく、時には人前で催眠の効果のみを喧伝し娯楽の対象となることもあります。近年、日本においてもスピリチュアリティーという言葉の一人歩きとともに、安直なステージ催眠が流行しております。

ステージ催眠と心理療法としての催眠療法をどのように区別するかということは難しい問題です。特に問題なのは、心理療法の枠組みと基礎的心理学の学習カリキュラムより催眠技法のみを優先する、商業機関から民間資格を得た人のなかには、催眠療法を行う上の留意点や倫理的問題に対する知識と教育を訓練を受けていないままに開業しているケースが多く見られることです。またクライアントはそれらの違いについての判断ができないことです。

過去生を扱う催眠療法は、心理療法の枠組みをしっかり押さえた上で行なうことが望ましいことはいうまでもありません。以上を踏まえ当センターでは、全てのセラピー導入前にインテーク面接(無料)を行なっております。



Copyright (C) Japan Institute for Psychotherapy. All Rights Reserved.