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こんな方にはお勧めしません
当センターの催眠行動療法は、ワークを希望される方の周辺で起こっている、身体的・精神的・社会的問題に対する解決を目的にしたサイコロジカル(心理療法的)な治療を目的にした技法のひとつです。単に、催眠により退行して前世を体験してみたいというだけの興味本意な方にはお勧めするものではありません
催眠行動療法とは
はじめに催眠療法とは何かを定義すると「他者あるいは自己が暗示をかけることによって、催眠をかけられる人の感覚や知覚、認知、行動に様々な変化を経験させること。」と言えます。つまり、当センターの催眠行動療法とは、ヒプノセラピスト(催眠療法士)がかける言葉(暗示)によりクライアントを日常の意識状態と違った変性意識状態に誘導し、非日常意識状態のなかで潜在意識に働きかけて過去についての適切な「物語り」を発見し、さらに過去の傷ついた自我状態にフォーカスしその存在に寄り添い語りかけることにより癒し、より望ましい「物語り」の再構成を可能にし、知覚や行動の変化をもたらし、心理的、行動的、身体的治療を行なうものです。
催眠による変性意識状態下では、平素感じるような様々な思惑から解き放たれ深くリラックスするとともに、集中力が高まりますので過去の記憶が鮮明に浮かんできます。また、変性意識状態ではクライアントの抑圧的な深層心理に直接コミットすることが可能ですので、他のカウンセリングのように長い年月を経ずに短期間で問題の核心部分に到達することができます。従って変性意識状態では感情表出がスムースになり抑圧されていた感情の解放をうながすためにたいへん有効な療法と言えます。
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退行催眠療法とは
退行催眠というと何か特別なことのように受け止められがちですが、そんなことはありません。巷ではあたかも“魔法”でも使うような表現で退行催眠療法を喧伝しているようですが、退行とはまさに時間を遡るということです。つまり、全ての記憶は過去の時間枠に存在しますので、催眠により変性意識状態のなかで時間を退行させて記憶を遡れば、それらは全て“退行催眠”と言えます。通常はクライアントの幼児期の状態を鮮明に再現し過去のできごとや内容とそれに伴う感情を明瞭に知るために行なう療法です。
全ての認知は体験から学習したもので、いま意識されている事柄は全て過去の認識が元になっているのですから、どうしてそのような考えを持つに到ったか?なぜそのような事態に陥ったか?また、恋愛を含む人間関係性におけるポジショニング等々、あらゆる事柄に対するヒントを得るために過去の時間をさかのぼるということは、今現在悩んでいる問題解決のための早道であると言えます。
催眠によりクライアントの記憶を呼び起こし、今起っていることと似通った感情と行動のパターンを探す過程においてクライアントによっては、あえて誘導をしなくても現世では説明のつかない過去の生に自然に行きついたり、今とは違う人生を自分のものとして語り始め、かつ、今の問題に関連つけて深い洞察を得たりされる方は沢山いらっしゃいます。
現在、あなたの周辺で起っている望ましくないことがらや、何か悩んでいることや、人間関係性に問題が生じているとしたら、それらは理由もなくあなたに降りかかってきた災いと悲劇的に捕らえるのではなく、全てはあなた自身の物事の捉え方つまり認知のあり方が起因しているかもしれません。また、何故そのような認知に到ったか?もしくは現世を生きる上でテーマがあるとしたら何かを学ぶために“退行催眠”を選択されることも良いかもしれません。
記憶のメカニズム
記憶はエピソード記憶と情動記憶に分かれて記憶されます。エピソード記憶とは心が圧倒されるような衝撃的な体験(トラウマ体験)に対して、単に起きてしまった変えようの無い歴史的な事実を言い、情動記憶とは歴史的な事実と同じ体験に対して、その時に感じた感情の記憶と言えます。特に幼児期の衝撃的な体験(トラウマ体験)時の感情に対しては、きちんと受け止めて説明が成され感情を言語化して癒される必要がありますが、それらの処置がされずに放置された場合、解決されないネガティブな情動記憶は強烈な体感を伴い記憶されます。癒されなかった感情の記憶は次の同じような体験を引き起こす結果となりパターン化して人生の中で何度となく再現されてしまい、再現される度にその感情は強化されます。
心の痛みを解放するために
たった今、あなたが問題だと感じている事や、長い間抱えてきた“心の痛み”は、実は過去の、つまり既に起きた出来事の際に負ってしまった、しかも、癒されずに残っている感情の記憶が深く作用しているのです。
例えば、好きな人のちょっとした仕草に理由のない不安を感じたとします。この時点で得に思い当たることはありません。あなたは胸のあたりで、なにかザワッとしますが、あわてて打ち消します。
そんなある日、彼との電話での会話の後で何かが、ふと気にかかります。そして、たった今、切ったばかりの携帯電話を見つめたりします・・・・・。
もしかして・・・“私、嫌われたのでは?”と思った瞬間、胸のあたりがギューッと閉めつけられるように感じます。意識化したとたんにあなたの不安は確信となってしまい、いまや疑いの余地がないほどに現実味を帯びてきて、次の行動としては説明のつかない不安の正体を探ろうとします。
はい、ここまで!!
ここで、あなたが感じる不安は現在のものではありません。
“私、嫌われたのでは?”と感じたとしたらそれは、“過去の感情の記憶”の甦りでしかないのです。現在のあなたには意味のないものですが、過去にとらわれているあなたにはその言葉は届きません。
“私、嫌われたのでは?”の下にある感情は、“私は愛されるはずがない”とか“生きるに値しない”という否定的な認知の歪みからくるスキーマ(信じ込み・信念)が存在しています。
スキーマ(信念:信じ込み)
スキーマつまり中核的信念とは、自分の経験に一定の解釈を与える深層認知構造を言います。Beck(1976)によればうつ病患者は自身、他人、世界、将来に対して否定的スキーマをもつていると定義していますが、“うつ病”とまではいかないとしても、必要以上に物事を否定的に受け止めたり、根拠のない不安を感じたりしていないか日頃の考え方に当てはめてみてはいかがですか?
ナガティブなスキーマ(信念:信じ込み)
では、相手のちょっとした仕草だけで“私、嫌われたのでは?”と感じてしまい、次の瞬間“私は愛されるはずがない”という不合理な信じ込みが鋭い痛みとなって体中を走り抜けるのはいったい何故なのでしょう?
こうした理由もなく否定的な感覚はクライアント自身の過去の体験から学習したものと考えられています。
何故ならば、過去に同じような体験をしていなければ、否定的な信念も生まれないし身体的痛みとしても感じられないからです。
感情の記憶を探す
スキーマがどのような体験から構成されるのか?簡単な例をとって考えてみましょう
>>幼児期のトラウマ体験(例)
ネガティブな記憶を癒す
米国催眠学会の発表によれば、人の脳の内、日常的に意識(顕在意識)され活性している部分は7%程に過ぎずその他の90%以上の大部分は無意識(潜在意識)の領域であると言われています。
目に見える傷に手当てが必要なように、心に傷を負った場合にも、その傷の程度に合った適切な治療が必要と言えます。
CBT(認知行動療法)では、うつ病の気分と認知の相関関係について「うつ病患者の否定的気分が減少すると、否定的認知が減る」と注目し、否定的な気分や非適応的な行動は否定的、非適応的、非合理的な歪んだ認知から生じると考えられ、これらの治療として原因となる否定的認知の修正が必要であると明確に述べており、具体的には思考記録表の利用を治療の根幹の一つと位置つけております。認知の歪みの原因になっているスキーマを修正する治療法です。
CBT(認知行動療法)が現意識(脳内10%以内の領域)にあるスキーマに長い時間をかけて働きかけるのに対し、当センターの催眠行動療法では、潜在意識(脳内の90%以上の領域)の感情の記憶部分に直接働きかけることが可能です。感情にアプローチしますのでスキーマの修正も比較的迅速に出来ます。(中には一回で解決され喜ばれる方もいらっしゃいます)
クライアントさまの現在の問題を解決するためには、ご本人にも忘れられてしまったような過去の“ 心の傷”を訪ねるために退行催眠技法を使い潜在意識の中にある記憶の時間を遡ります。感情の記憶はあなたの体に刻みこまれています。ある種の感情を感じる時、あなたは体のどこでその感じを感じますか?
=胸のあたりがザワッとしたり、喉の奥がギュゥ〜ッと閉めつけられる=
あるいは、
後頭部が重くなったり、お腹に塊を感じたり、肩がこったりしてきます
そうです。これらはすべて過去に体験した心が圧倒された体験(トラウマ体験)が引き起こした情動記憶が引き金になった身体的反応の感覚(情動記憶は体感を伴う)と言えます。この身体に残っている感覚を手掛かりに、今、現在抱えている問題に関連する“元の感情”に繋がり、記憶の中の癒されなかった感情を丁寧に一つ一つ手当てしていきます。
必要があれば情動記憶に働きかけ感情の記憶そのものをより望ましい形に変えることもいたします。
ネガティブな記憶の再構成
感情の記憶をより望ましい形に変えるために、時間の退行つまりクライアントの記憶を遡る必要があります。最近起こったネガティブな体験を思い出し、その時感じた感情を手掛かりに軽いトランス状態に導き、それらに関連のある傷ついた感情を見つけます。トランス状態ではクライアント自身もとうに忘れていた光景が甦って見えてきたりします。
たいていの場合、幼少期の記憶が多く出てきます。なぜ、幼少期が多いかというと、判断能力が幼く言葉での表現が難しいので、体験が強烈でその分ダメージが大きいこともありますが、発達心理学的にも、幼児のもつ万能感により、周囲で起こることはすべて “自分のせいだ”と受け止める特徴を持っていますので、説明のできないこころが圧倒されるような経験(特に悪い体験)も“自分のせいだ”と受け止めてしまいます。
周囲のおとな(親)達の何気ない“一言”に縛られて長い間苦しい気持ちを抱えていたり、家庭内の不和や緊張が幼児に身体的・精神的に深刻な影響を与えたりもします。
当センターではこれらのネガティブな記憶の塗り替えのために、インナーチャイルド・ワークとサイコドラマを統合した独自のアプローチを使って癒しを与え、ポジティブな感情の記憶に変換し“記憶の再構成”をいたします。(さらにケースによってはEFTセラピーにより感情の定着をはかります)
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過去生の旅への導入(前世療法)
退行催眠療法の項でも触れましたが、過去の記憶を旅する上でクライアント自らが自然に語りだす過去生の「物語り」を待つだけではなく通常の催眠状態よりさらに深い催眠状態に導入して、セラピストの意識的な導入により、「過去生への旅」にご案内します。
セラピストの誘導に全てをゆだねて段々遠くなる声とともに、ゆったりとリラックスした感覚を味わいながら、一段一段降りるごとに、催眠を深めながらゆるやかに変性意識状態に入ります。
そこは何ものにも侵されることのない安心の空間です。
過去生への旅の前に「チャクラの色のエネルギーの庭」を訪れて花の色のもつエネルギーを吸収し精神と身体のバランスを整えます。
チャクラとは古代サンスクリット語で「輪・円」を著します。人間のエーテル体に存在する脊柱に沿ったエネルギーの渦を指し7つの内分泌腺及びメンタル体、アストラル体、肉体の調整と活性化を司り意識の中枢と各身体の中継点としての役割をはたしており、7つのチャクラは其々色のエネルギーをもち生命体の根源的な力と言えます。
ヒプノセラピストの誘いで、クライアントが最も安心で安全な場所のイメージを構築しさらに深いリラクゼーションを味わうことが可能です。潜在意識にしっかりと留め(アンカリング)催眠状態でクライアントが望めばすぐ戻る事の出来る場所として確保し、さらに深まる過去生への旅をより安全なものとします。また、このイメージは日常生活に戻った後もクライアントの深層意識に記憶されますので、日々のリラクゼーションの中で、またはストレスを感じた時などに「安全な場所」のイメージを思い起してみることをお薦めします。
チャクラの庭でエネルギーを調整し、安全な場所の確保を終えて、さらに深い催眠状態に入り過去生の扉を開けて過去生への回帰を体験します。体験と書きましたが科学的に証明できるわけではありませんので体験という言葉がはたして正しいかどうかについての議論についてはここでは省きます。ただ、ここでは当センターのヒプノセラピストが米国シアトルで退行催眠療法のインターン・シップで学んでいた頃、実際扱ったケースのひとつをご本人(現在は欧州在)の承諾の上でご紹介いたします。
クライアント 日本在住のオーストリア人の男性(当時35才)
時 2000年秋
場所 東京六本木
主訴:2年程交際していた女性と別れた2ヵ月後、その女性が癌だということが分かり、本人は乗り気ではなかったのですが、何となく罪悪感から交際を復活し癌の彼女の看病をして支えたそうです。幸い彼女の病いも解放に向かい一応健康を取り戻した頃、母国に一時帰国をしなければならい用事ができたのですが、帰国を10日後に控えて何だか気が重くて、体調まで崩してしまい特に背中のあたりが痛いのでなんとかして欲しいとのことでした。
催眠
始めは、女性と再度別れることに罪悪感から逡巡してるとのことでしたので、罪悪感にフォーカスを当て催眠に導入しました。
催眠場面T(テーマ 罪悪感)
14才位の記憶:欧州の生家。ベッドでマスターベーションの最中に母親に見つかり叱責された場面
助言:思春期の男の子の自慰行為はいたって健康的であるので罪悪感をもつ必要はない。本人納得
催眠場面U(テーマ:背中の部分の違和感)
20才手術台の上:筋肉に関連したことで手術を受けた時、本人は麻酔のため意識していなかったが、手術台の背中のあたっている部分の鉄板が、冷たくて痛かったことが語られる。
催眠場面V(テーマ:背中の痛み)
石だらけの荒涼とした大地を裸足で白い布を身体に巻き、杖を突きながら歩いている老人のイメージ。足が細く力がない。腹が減っているが食物はすでに自分には必要がない、何故ならば自分はじきに死ぬべき老人なので食物は部落の人間に上げて欲しいと語り、さらに風の中を石につまずきながら寒そうに歩いて死ぬ場所をさがしている場面(時代不明)
催眠場面W(テーマ:暖かい場所に行きたい)
ジャングルの中:15才位黒人。素晴らしい肉体を持っている。ジャングルの中で獲物を捕ろうとして槍をかまえて木の間で隠れている。他にも誰かいるが姿は見えない。見事にひとりで獲物(猛獣)を捕らえることが一人前の男として認められる掟(成人式?)であり、自分は自信にみなぎっている。足が太くて力強く俊敏であると語る。
覚醒後の本人の話
彼女との別れに対して罪悪感を感じていると思っていたが、10日後に帰国すれば合う母親から植え付けられた罪悪感にたいする怒りだったが、意味が分かり母親を許し何よりも自分を許すことができた。催眠場面Uの背中の痛みが過去の記憶として理解できた。催眠場面Wのイメージをたいへん喜んでいた。「実は自分は、肉体的に自信がなくので周に3日はジムに通っているが、まだ貧弱な身体だ。」というので実際に鏡の前に立ってもらったところ「不思議だ、ぜんぜん細くないじゃないか。」と語る。(セラピストの感想としては身長180センチ弱で75キロ位)自分は決して弱くなんかない。自信に満ちている自分を感じられる。
後日談
無事帰国したこと。母親との葛藤が緊張感となり帰国することを拒んでいたように思う。すべて解決されたわけではないが、今までよりもうまくやっていけそうな気がする。何より、自分の身体が一回り大きくなったような感覚が自信の源となっている。とのことでした。
過去生の最後の瞬間を体験する
体験した過去生からの学び
体験した過去生から自らの使命を学ぶ
中間生(インターライフ)
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